カウンセリングとは?
コーチングとカウンセリングとの違い
一般的な定義では…
安定した精神状態をプラスマイナスゼロと考えた場合、
コーチングは、ゼロをプラスにする、あるいはプラスをさらに大きなプラスにする
カウンセリングは、マイナスをゼロにする
と言われています。
例えば、長期間にわたって大きなストレスを抱え続けていたり、
家族を失うなどの大きなダメージによって、感情のコントロールが困難な状態の時には
カウンセリングの出番となります。
『メンタルヘルス不調』にまつわるパラダイム
この定義に前提とされているパラダイムは…
ここで一つ考えてみたいのですが、
上の説明に出てきた、プラス・マイナスを決める基準は何でしょうか?
これが明確ではないのです。
ここに暗黙のうちにパラダイムが隠れていそうです。
そのパラダイムは、
たとえば、「喜び、楽しみ、明るさはプラスで、悲しみ、苦しみ、暗さはマイナス」とか、
「元気のいいのがプラスで、元気のないのがマイナス」
「笑っているのがプラスで、泣いているのがマイナス」
などといった、感情に対する評価から出発して、
「健康がプラスで、病気がマイナス」
「うつは心の病気だからマイナス」
といった判断を含んでいるようです。
この判断が昂じると、
「心の健康が正常で、心の病は異常」といったパラダイムにも
発展しそうです。
いずれにせよ、「メンタルヘルス不調」を否定的に見ていることは否めません。
「うつ状態」を長引かせるパラダイム
このように自分の「うつ状態」をネガティブに見ざるを得ないとすれば、
本人の辛さは倍増するのではないでしょうか…。
だから、回復しづらくなります。
「否定されたものは続く」というのは、人間の鉄則だからです。
「うつ」を「病気」であると考えるのは、決して誤りとは言えませんが、
「避けるべきもの」という見方をしてしまうと、
意図に反して、そこから抜けるのは至難の業となってしまいます。
早期回復のカウンセリング
うつ状態からの早期回復を目指すなら…
「うつは避けるべきもの」というパラダイムが、早期回復を阻んでいるとすれば、
その逆をやればよいだけです。
つまり、「うつ状態」を受け入れることです。
これは簡単そうにも聞こえますが、
当人にとってはそれほど簡単ではありません。
しかし、
カウンセラーとクライアントがともに、
「うつ状態」を心の底から受け入れることができたとしたら、
それが早期回復へのスタート地点となります。
それがなければ、どんなに素晴らしいテクニックを使おうと
回復はおぼつかないでしょうし、
たとえ回復したとしても、
また元の状態に戻る可能性が高くなるでしょう。