個人の意識改革を通して 組織の風土改革をサポートします

パラダイムシフトとは?

パラダイムを探ることの大切さ

1つのパラダイムが多くの事柄にかかわっている

対立する上司と部下が…

 「正解は1つだけ」というパラダイムを持つ上司と部下の例を、もう一度考えてみましょう。

 「正解は1つだけ」であり「その正解は自分が持っている」と思っている上司は、指示命令型のメッセージを投げ過ぎます。
 概してこのような上司に限って、部下に対して「自分でもっとよく考えろ」と要求しがちです。
 上司自身と同じ正解に至らない部下のことを「努力不足」「能力不足」とみなしてしまうからです。
 このような上司は自分の考える「唯一の正解」と同じ答えを持ってこない限り、なかなか部下の考えを認めようとはしないでしょう。

 一方、「正解は1つだけ」であり「その正解は上司が持っている」と思っている部下は、「答えを下さい病」におちいります。
 このような部下は、指示命令の強い上司に対して「自分たちのことを分かってくれない」と不満を抱きます。
 自分ではいい仕事がしたいと思って上司に尋ねているのに、なかなか答えをくれないだけでなく、ほとんど何を言っても否定されてしまうからです。

 上司は部下を「仕事ができない」と否定し、部下は上司を「理解がない」と非難します。


実は「同じ穴のむじな」

 この上司と部下は、お互いに対立してはいますが、実は両者ともに「正解は1つだけ」という同じパラダイムにおちいっていることには、当人同士気づいていないようです。
 このように、

一見すると別物と認識される問題が
実は同じパラダイムから引き起こされている
ということがよくあります。

「たくさんの枝葉をたどっていくと、1つの根っこにたどりつく」
というイメージです。

ということは逆に言えば

1つの根っこが動くと、同時に多くの枝葉が影響を受ける
ということ、つまり
1つのパラダイムが変われば、同時に多くの事柄が動き始める
ということになります。
 

ここにパラダイムを探り当てる意味があります。



パラダイムシフト

パラダイムシフトとは

1つのパラダイムが別のパラダイムに変わること

これをパラダイムシフトと言います。

1つの根っこが動くと、同時に多くの枝葉が影響を受けるのですから

パラダイムがシフトすると
個別の事柄に対処するよりも
はるかに大きな成果を出せる
ということです。

上の例で言えば、
「正解は一つだけ」のパラダイムがシフトした途端、上司・部下の両者ともに思考と行動が変わり、
その関係は一挙に大きく変わる、という結果をもたらします。



「問題解決」とパラダイムシフト

何を『問題』と考えるかは、自分のパラダイムが決定します。

この例では、はじめに上司が部下を「問題」扱いしていますが、
「答えをください病」「自分の頭で考えない」「努力しない」「能力不足」などの部下の「諸問題」の内容は、「正解は一つだけ」というパラダイムが引き起こしている訳です。


「問題」の解決法は?

普段のあなたなら、この「問題解決」に向かうとすれば、どのような行動を取るでしょうか?

  • 「問題」が顕在化するたびに部下を叱責する
  • 部下の話をよく聞いて原因を探り、アドバイスを与える
  • 思考のスキルを上げるよう教育する
  • 努力を期待してポストを上げる
  • 考えなくても済む職場に配置転換する
    などなど、その他様々な手を考えることができますが、これらはほとんどまず機能しません。


「問題解決」の限界

なぜなら、これらの「問題解決法」はすべて、上司の元々のパラダイム「正解は一つだけで、その正解は自分が持っている」という視点から出てきた解決法だからです。

上司の「唯一の正解」を基準にするのならば、叱責しようがアドバイスしようが、教育しようが、本質は何ら変わることはありません。

アインシュタインの言葉にもあるように、
ある問題を引き起こしたのと同じ地平にいては、その問題を解決することはできないのです。

つまり、上司のパラダイムが生み出している「問題」ですから、それと同じパラダイムから出てくる「解決策」は、「問題」を増やすことはあっても、解消することはあり得ません。

これがいわゆる「問題解決」の限界です。

しかも、これらの「問題解決」においては、

自分のパラダイムを『自明の理』として
自分のパラダイム通りに外部の状況を動かそうとする
と言ってもよいでしょう。

ですから、そのような『問題解決』によっては、パラダイムシフトは決して起こりません。

それどころかそのような『問題解決』は必ずや抵抗を生むことになります。
上司が「自分だけが正しい」前提で、部下を叱責・アドバイス・教育しようとすれば、
部下の心に抵抗が生まれるのは自然のことでしょう。


「問題解決」を超えて

したがって、「問題」が起こった際には、まずそれを「問題視」している人のパラダイムを探る必要があります。

真の問題解決 or 問題解消のためには
その「問題」を引き起こしているパラダイム自体を
シフトさせる必要があるのです。


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